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「日の丸半導体」復活へ!究極の単分子メモリで世界を変える!

月額支援型 academist Prize 2nd 採択

中野 佑紀

広島大学、博士課程後期2年

挑戦期間

2022/11/01 - 2026/08/31

最終活動報告

2024/01/04 11:18:35

活動報告

19回

サポーター

10人

経過時間

2022/11/01 10:00:00

挑戦者の自己紹介

中野 佑紀

広島大学・大学院先進理工系科学研究科・基礎化学の博士課程後期2年生。2013年に同学・理学研究科化学専攻を修了後、化学メーカーに8年半勤務。電子デバイス・半導体分野の研究開発・技術営業・事業開発に従事。2020年に研究成果をビジネスとして社会課題の解決に活かす術を探求すべく、関西学院大学・経営戦略研究科に進学し、経営管理修士(専門職)/MBAの学位を取得。更に化学者としての自身の専門性を高めるべく、広島大学の博士課程後期に進学しました。プライベートでは、妻と共に1歳になる娘の育児に奮闘中です。化学が更に社会へ貢献できるよう、多くの方に研究成果や面白さを共有できればと思います。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

AIやIoTの世界的な発展により、コンピュータが消費する電力は爆発的に増加しています。また世界中で生み出されるデータ量も指数関数的に増大しています。これらの課題の解決には、低消費電力コンピュータや高密度ストレージの実現が不可欠です。しかしながら、既存コンピュータは、その構造や材料がボトルネックとなり,現時点で限界近い性能まで到達しております。そこで私は自身の研究テーマである「単分子誘電体」という全く新しいメモリ材料の提案により、世界のエネルギー問題を抜本的に解決する新たなコンピュータの創出を目指します。

日本のマテリアル(素材・材料)産業は世界の半導体や電子デバイス産業の土台となる技術領域です。そして、これらを支えるのは基礎化学の研究成果です。私の研究分野である分子設計・物性評価の技術は、様々な材料開発に応用されてきた根幹技術であると考えています。私はこの研究をより深く探求することで、日本が誇るマテリアル産業を発展させ、「日の丸半導体」復活の起爆剤となることを目指します。

どのようなプロセスで実現しようとしていますか?

私が研究している「単分子誘電体」を用いた「単分子メモリ」は、従来の1000倍近い記憶密度を実現する次世代不揮発メモリとして期待されています。更に、この「単分子メモリ」をメインメモリやストレージに採用することで、従来のコンピュータに比べて約90%の消費電力削減が見込まれる「インメモリコンピューティング」という新たなコンピュータ技術の実現に近づきます。私はこの「単分子メモリ」のプロトタイピングと、プロセス開発の要素技術の研究を進めています。

しかしながら,最終目標である「単分子メモリ」の社会実装には、基礎研究による技術確立を達成した上で、事業化による製品開発の加速が必要です。私は博士課程後期の在籍中に、メモリデバイスの基礎技術の確立を達成したいと考えています。その後、スタートアップ等の設立による事業化を実現することで、事業会社や大学等の研究機関から成る強固な開発体制を構築を目指します。そして、2040年には「単分子誘電体」の総合メーカーとして事業を拡大し、2050年には次世代不揮発メモリを活用した新たなコンピューティング技術の確立に挑みたいと考えています。

現在取り組んでいる研究課題はなんですか?

私が研究を行っている「単分子誘電体」は,単一分子で恰も強誘電体の様な特性を振る舞う、全く新しい物理現象を発現する材料です。しかしながら、これまでの「単分子誘電体」の研究は、バルク(巨視的)な評価に留まっていました。

そこで私は、この「単分子誘電体」の「単分子としての振舞い」を観測することを基礎研究の究極目標として設定しました。それに至るマイルストーンとして、現在は「単分子誘電体の単分子薄膜の作製」と「薄膜の表面構造と物性の評価」を研究課題としています。具体的な手法としては、液相或いは気相による極薄膜の作製条件を整えます。次に、原子間力顕微鏡(AFM)やケルビンプローブフォース顕微鏡(KPFM)による薄膜の表面構造と電気特性の評価を実施します。

この研究成果は、現在プロトタイピングを実施している「単分子メモリ」に対して重要な知見を与えます。更には、今後発展を目指す単分子デバイス開発に向けた可能性を拡大させると考えています。

なぜacademistに挑戦していますか?

2011年の修士課程時代、研究がどんどん面白くなってきた私は、博士課程への進学をキャリアの一つとして考えていました。しかしながら、当時の社会的背景や経済的な事情により、事業会社への就職を決断しました。現在は家族や周りの方々に恵まれ、博士課程への進学を実現できましたが、経済的な不安を完全に払拭できたわけではありません。

現在、私が研究している「単分子誘電体」は,新たな物理現象として学術的に重要な発見である一方で、デバイス応用としても産業的なインパクトが非常に大きな材料です。この研究開発をより加速させ、更なる発展を実現するためには、研究内容の周知と産学連携による開発体制の強化が必要です。これらの目的達成の為、クラウドファンディングによる活動資金の獲得と、研究成果の発信に挑戦しました。

皆さまからのご支援は「生活費」「研究活動費」「事業開発費」に使用させて頂きます。ご支援のリターンとして、毎月の活動報告と謝辞の掲載(ご希望者様のみ)を予定しております。何卒、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

推薦者コメント

伊藤(加藤)智佐都
広島大学大学院先進理工系科学研究科 研究員

かつて,日本は半導体大国でした。これが過去の栄光となって久しい中,挑戦者は独自の技術である「単分子誘電体」を用いて,「日の丸半導体」の復活を目指します。さらに挑戦者が作り出す「単分子メモリ」は,全世界で喫緊の課題である莫大な消費電力とデータ量の抜本的な解決策になり得ると期待できます。「単分子誘電体」を発見した一人として,また,同じ子育て中の親として,中野さんの挑戦を応援いたします。

定藤 繁樹
関西学院大学名誉教授/大阪学院大学経営学部教授

中野さんは、広島大学理学研究科を修了後、事業会社で電子材料の研究開発や技術営業を担当されました。この間に複数製品の開発や特許出願の実績を有しておられます。また,研究者としての実績だけでなく、社会人大学院でMBA(経営管理修士)の学位も取得し、高いプロジェクトマネジメント能力を身に着けておられます。現在,取り組まれる単分子メモリの開発プロジェクトを見事に先導されることを期待しております。

西原 禎文
広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授

挑戦者は学士・修士課程で材料化学や機能物性化学に関する研究に従事してきました。事業会社への就職後も電子デバイスや半導体業界に深く関わっており、材料からデバイスまでの広範な知識を有しています。一方で、人並外れたコミュニケーション能力を有しており、様々なイベントやプログラムでの交流を通じて研究の幅を広げています。「単分子誘電体」は既存理論の延長線上に無い、真に新しい物理現象を示す材料です。挑戦者に研究活動により、世界が抱えるエネルギー問題の解決策が創出されることを期待します。

研究計画

時期 計画
2023年1月頃 海外への短期留学
2023年3月 国内学会での発表
2023年5月 スタートアップ設立による事業化
2023年7月 国内学会での発表
2023年9月 NEDO研究開発型スタートアップ支援事業への採用に向けた活動開始
2023年秋頃 国際学会での発表
2023年12月 国内展示会への参加
2024年1月 学術論文の執筆開始
2024年3月 国内学会での発表
2024年5月 学術論文の投稿
2024年7月 博士論文の審査
2024年夏頃 事業会社との共同研究締結に向けた活動開始
2024年9月 博士号取得
2024年冬 共同研究開始による事業拡大
2025年1月以降 政府系スタートアップ支援事業への採択挑戦

リターンの説明

330 円/月 (税込)

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4人が支援しています。

(数量制限なし)

1,100 円/月 (税込)

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3,300 円/月 (税込)

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